はじめに| パワーエレクトロニクスコントローラのテストを安全に
パワーエレクトロニクス(PE)アプリケーションのコントローラファームウェアの開発とテストには、いくつかのアプローチがあります。学術教育を目的として開発とテストを行う場合、学生が自身の失敗から学び、個人および機器の安全を確保した上で貴重な実践経験を積むことができるアプローチを選択することが不可欠です。こうした理由から、ソフトウェア・イン・ザ・ループ(SIL)とコントローラ・ハードウェア・イン・ザ・ループ(C-HIL)は、学術環境でも産業界でも、ラピッド・コントロール・プロトタイピング(RCP)の手法としてよく選ばれています。シミュレートされたリアルタイム環境で作業することで、電力フローが物理的ではなくデジタル的に表現されるため、学生と機器の安全が保証され、さまざまなシナリオにおける制御動作を観察できます。
ソリューション| EVテストのためのInfineonとTyphoon HIL統合
このセットアップは、 Infineon TechnologiesとTyphoon HILの2社のソリューションを統合したものです(図1のハードウェアセットアップを参照)。エミュレータ(Typhoon HIL HIL602+リアルタイムデバイス)、Typhoon HILが開発したカスタムインターフェースボード、Infineon Technologiesのコントローラ( AURIX™ TC275 Lite KitまたはAURIX™ TC375 Lite Kitなど)、そしてPCで構成されています。
セットアップ仕様の定義、統合、および例の開発は、セルビアのノヴィサド大学工学部の学生との教育目的でIvan Todorovic 博士によって行われました。

パワーエレクトロニクスのパワーステージは、 Typhoon HILコントロールセンターを介してHIL602+デバイス上でリアルタイムにモデル化・実行されます。インターフェースボードは、エミュレーターとコントローラー間で交換されるアナログ信号とデジタル信号を調整します。コントローラーはAURIX™ Development Studioを使用してプログラミングされ、内部変数はOneEyeグラフィカルユーザーインターフェースを使用して監視されます。EVアプリケーションの開発とテストのためのC-HILプラットフォームのセットアップを図2に示します。

詳細はこちら| セットアップの汎用性と学生による導入の容易さ
このセットアップの詳細については、 Infineonのウェブサイトに掲載されている元のブログをご覧ください。より詳細な説明、追加の図、そしてこのセットアップの仕組みに関する詳細情報が掲載されています。
クレジット
テキスト|原文:Emna Azek、脚色:Debora Santo
ビジュアル| セットアップ写真と図はIvan Todorovic提供、ブログの表紙画像はKarl Mickei提供
編集者| デボラ・サント