自動再閉路装置
位相保護とアース保護を組み込んだ自動再閉路器のサンプルモデルのデモンストレーション。
導入
自動再閉路装置は、交流回路を遮断・再閉路できる自己制御装置と定義できます。不測の事態発生後に自動的にサービスを復旧するため、電力網において重要な機器です。架空送電線で発生する故障の約90%は一時的なものであるため、自動再閉路装置による復旧は停電時間を短縮し、顧客へのサービス継続性を大幅に向上させます。
このアプリケーションノートでは、自動再閉路装置のシンプルなモデルを紹介します。このモデルは、4種類の再閉路動作を備えた自動再閉路装置の動作特性を示しており、位相保護装置および接地保護装置の後の高速および低速曲線のトリップ電流とタイミングを調整できます。このタイプの自動再閉路装置は、スマートグリッド保護方式で使用されています。
モデルの説明
このモデルは主に信号処理コンポーネントで構成されており、高速動作と低速動作の両方において、定時過電流保護機能を備えた自動再閉路器の動作を実装しています。モデルの電気部分は、図1に示すように、系統を表す三相電圧、三相負荷、および様々な種類の故障をシミュレートするための制御スイッチで構成されています。

Recloserサブシステム内には、自動再閉路装置の動作ロジックが含まれています。この装置は、時間-過電流曲線が定義されている場合にのみ動作します。この場合、これはSCADA入力を介して行われます。自動再閉路装置の状態は、実効値電流と中性電流の計算に基づいて制御されます。各再閉路動作の保護ユニットは、図2に示すように、 Cファンクションブロックを介して実装されています。

シミュレーション
この例には、図 3に示すように、事前に構築された SCADA パネルが付属しています。参照される SCADA パネルは、グリッド測定と制御グループ、自動再閉路装置グループなどのさまざまなウィジェット グループで構成されています。グリッド測定グループでは、線間電圧を定義し、シミュレーションの障害タイプを選択できます。自動再閉路装置グループでは、接触器の開閉とリセットのグローバル設定を決定できます。再閉路時間を設定したり、保護を有効にしたりすることもできます。保護の側面に関しては、「位相保護」と「アース保護」と呼ばれるウィジェット グループで、ピックアップ電流と時間過電流曲線を定義できます。

保護機能を有効または無効にした状態でシミュレーションを実行できます。保護機能を有効にしたい場合は、「有効」オプションと選択した保護機能を保護ウィジェットグループで設定する必要があります。低速動作と高速動作の回数、および動作時間も選択できます。図4は、三相故障発生時の位相保護を有効にした再閉路器の動作シミュレーションを示しています。


指定された回数の操作が完了すると、再閉路器が遮断され、遮断器が開きます。図6および図5の例では、この手順は2回の操作で完了します。初期状態に戻すには、再閉路器をリセットし、接触器を閉じる必要があります。接地保護を有効にした状態でも同様にシミュレーションを実行できます。

テスト自動化
この例のテスト自動化はまだありません。ご協力いただける場合はお知らせください。アプリケーションノートへの署名を喜んで承ります。
要件の例
表1は、モデルをリアルタイムで実行するためのファイルの場所とハードウェア要件に関する詳細情報と、この最小限のハードウェア構成でモデルを実行した場合のHILデバイスのリソース使用率を示しています。この情報は、モデルの実行とカスタマイズを必要に応じて行う際に役立ちます。
ファイル | |
---|---|
Typhoon HILファイル |
例\モデル\電力システム\自動再閉路装置 自動再閉鎖装置.tse 自動再閉鎖装置.cus |
最小ハードウェア要件 | |
HILデバイス数 | 1 |
HILデバイスモデル | HIL101 |
デバイス構成 | 1 |
HILデバイスのリソース利用 | |
処理コア数 | 1 |
最大マトリックスメモリ使用率 | 2.08% (コア0) |
最大時間枠利用率 | 50.91% (コア0) |
シミュレーションステップ、電気 | 0.5マイクロ秒 |
実行率、信号処理 | 200マイクロ秒 |
著者
- ヨヴァナ・マルコビッチ