電気部品のベクトル化
特定の電気型 (PE) の原子コンポーネントをベクトル化する方法について説明します。
電気部品のベクトル化の概要
ベクトル化されたコンポーネントは、コンパイル時に同じコンポーネントのN個(バスサイズ)のインスタンスに置き換えられます。ここで、 Nはコンポーネントが接続されているバス、またはマスクプロパティの値によって定義されます。図1 (a)には、サイズN = 3のベクトル化されたインダクタLが示されています。コンパイル/検証が開始されると、インダクタは(内部的には回路図は変更されませんが)L(1-3)という名前の3つの個別の「スカラー」インダクタ(b)に置き換えられます。
新しいインダクタのプロパティの値は、元のベクトル化されたインダクタの定義方法によって異なります。図 2の例を考えてみましょう。(a) のすべてのプロパティはスカラーとして定義されていますが、(b) のInductanceプロパティはベクター (Python リスト) として定義されています。(a) の場合、インダクタはバスに接続されている場合にのみベクトル化され (バス サイズも継承されます)、結果として得られるスカラー インダクタのプロパティは元のインダクタと同じになります。(b) の場合、結果として得られる 3 つのインダクタのInductanceプロパティは1e-3、2e-3、1e -3 (この順) に設定され、初期電流は 1 になります。
プロパティ値にリスト形式を使用すると、 N がリストのサイズと等しくなるように強制されます。つまり、接続されたバスと他のプロパティに入力されたリストは同じサイズである必要があります。そうでない場合、ディメンションの不一致エラーが発生して検証が失敗します。
簡単な例
図3に示す小さな回路を考えてみましょう。各部品のサイズN =3は以下のように定義されます。
- Vs1: Phaseプロパティによって直接
- IR1とIR2: バスサイズは接続されたコンポーネントから継承されます
- R1:抵抗特性によって直接
- R2:抵抗特性はスカラー値なので、大きさは接続されたコンポーネントから継承されます。

このパラメータ化により、 Vs1電源は実質的に三相正弦波電源となります。図4に示す電流測定波形は、電流間の位相遅れを示しています。R1抵抗器の各相の抵抗値が異なるため、電流の振幅は異なりますが、 R2は各相で同じ値を維持します。
サポートされているコンポーネントのリスト
現在ベクトル化をサポートしている PE コンポーネントは次のとおりです。